Project8 オープン・D・チューニング

7.最高のロック映画!!

映画とロックはあまり相性が良くないと思う。
映画関係者に”ロックな人”が少ないからだとも考える。演劇にもその傾向はある。
ロックを好きな映画人は多いようで、様々な形で映画にロックが使われてはいる。
だけど、その消化のしかたがロック的じゃなくて、いつも「違うんだよなあ」と感じてしまう。

数年前「ベルベットゴールドマイン」を観たときも、その思いを強くした。
グラムロック全盛のあの時代の雰囲気を伝えてはいるが、どうもすっきりしない。
ロックはもっと凄いんだぜと言いたくなってしまう。
「ドアーズ」なんかもあの時代を描いてはいるが....。

逆に「メジャーリーグ」のほうがロック・ミュージック(「ワイルドシングス」)を有効に使っている。
他にも映画音楽としてロックが生きている作品はあるが、あくまで映画音楽でロック的な映画ではない。

アメリカン・ニューシネマには、「イージー・ライダー」や「バニシングポイント」といったロック的映画がある。
だけど、主人公が死んでしまうような結末が多くて、映画としては良くてもロック的じゃないんだな。
自由と現実の関係をまじめにとらえ過ぎているのが、映画人の限界という気がする。

「ウッドストック」「レット・イット・ビー」などのライブや録音の記録映画は、映像として貴重であるが、
映画を通してロック的なものを伝えようとする部分は弱い。
これは、ロックミュージシャン自身が製作したり出演したりしている劇映画についても言える。

日本映画はさらに悲惨。と言うよりロック的な部分が皆無って気がする。

こんな風に”ロック的”という視点で探すと満足する映画は少ない。
だけど、これこそ最高のロック映画と言える作品がある。
「チャックベリー、ヘイル・ヘイル・ロックンロール」だ!!!

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