Project26 復讐のテーマ
1.ショーシャンク
名作映画「ショーシャンクの空に」は、なぜかTVで放送されることが多いのだが、ちょっと見るとつい最後まで見てしまう。
刑務所というがんじがらめの中でも、自分を見失わず、希望を持ち続ける主人公に胸を打たれる。
どの世界で生きようとも、ある意味刑務所と同じような不自由さは存在するから、彼の生き方は多くの人の共感を呼ぶのだと思う。
劇中、モーガン・フリーマン演じる老いた囚人が仮釈放審査会で、(犯罪を犯した)若い頃の自分を叱ってやりたいと話す場面がある。
これを自分に当てはめてみると、僕の場合は、若い頃の自分にアドバイスしてやりたいと思う。
今考えると若い時は、本当にダメ男だったと思う(今もそうだという外野の声は無視)。
自意識が強く、理想が高いのに実行力がない。
ただ、妙に客観的なところがあったので、自分に何が不足していて、何をしなければならないかはよくわかっていた。
でも、実行に移すとすぐ疲れちゃったんですよね、肉体的にも精神的にも。
こういう時、頼れる先輩みたいな人がいればいいなと思う。
父親は10年程前に死んだが、腹を割って酒を酌み交わしたことは一度もない。
父は家庭人として合格だったと思うが精神的に頼れる存在ではなかった。
学生時代も社会に出てからも頼れる先生や上司、先輩といった人には出会わなかった。
友人や女友達と話しても理解し合っているという気持ちになれない、それがさらにやる気を奪う、そんな悪循環が続いていた。
こういう場合、宗教にはまってもおかしくないが、僕の場合はありえない。
なぜなら、父親の実家がお寺で、いとこやおじさんに坊さんが何人もいるので、どういう人が宗教を司っているか知ってるからだ。
さすがにプロだけあって、伸びのある声でお経を上げ、もっともらしい顔で説教する姿はなかなかのものである。
しかし、オフに接したときは普通の人だし、とりわけ頼りになるわけではない。これは別の宗教でもそんなに違わないだろう。
僕は宗教は否定しないし、適度に関わるのは生活を豊かにすると思うが、あまり入れ込むのはどうかと思う。
苦しい現実から逃れたくて自殺してしまう人もいるが、これも僕の場合はありえない。
痛いのや、苦しいのや、恐いのがダメなんです。
そんなことを死ぬ気でやるくらいなら、じゃなかった死ぬためにやるくらいなら、別の方法で苦痛から抜け出すことを考える。
たとえば犯罪とかね、フフフ。
幸いこれまで犯罪に手を染めることはなかったし、これからもないだろう。これは僕のモラルが高いからではなく計算です。
つまり、実際の犯罪行為から得られる利益(たとえ発覚しなくても)よりも、犯罪を映画にするメリット(たとえ認められなくても)の方が多いと思うのです。
というわけで、これは犯罪映画の企画です。実は構想からすでにかなりの年月が流れている。
ようやく、撮れそうな状況になってきたので動いてみようかと思う。
今若い時の自分に会えたら何をアドバイスするか?
たくさんあるけど、とりあえずは「年を取るのを恐がらなくていいよ」かな。
つづく →次へ
戻る