Project23 サインはV
4.社会現象の理由
「サインはV」は子供番組だったのだろうか?
分類としてはスポーツヒーロー物になるのだろう。その場合普通は主人公にかっこよさと共感性を持たせる。
「サインはV」の場合は、出演者の選定と描き方や話の設定が、そこからはずれている気がする。
主人公・朝丘ユミはOLで、演じる岡田可愛ら女優陣は少女性が薄いため、きれいなおねえさんの物語になっている。
だから子供の共感は薄いのではないか?OLのドラマに深く共感する小学生の男の子がいたら、ちょっと考えさせられる。
かっこよさのことを言えば、かっこいいのは「X攻撃」や「稲妻落とし」の技であって、主人公そのものではない。
岡田可愛の動き方からは、スポーツやアクション的なかっこよさは感じられない(と言うより運動神経が鈍そう)。
資料を紐解くと放送の平均視聴率32.3%(最高39.3%)とある。
チャネル数が少なく、ビデオやゲームのない時代とはいえこの数字は凄い。
これは広い世代の人が見ていた証拠だ。子供が見ているだけでは、これだけ高い数字にはならない。
どうして、このような”社会現象”が起きたのだろう?
当時女子バレーは日本のお家芸と言われ、オリンピックではメダル争いの常連だった。非常に人気が高かったことは確かである。
しかし、だからと言ってブームに乗ったマンガやドラマが当たるとは限らない。
サッカーJリーグ全盛時代に大当たりしたサッカーマンガやドラマがあっただろうか?(キャプテン翼はJリーグのずっと前に最初の放送)
「サインはV」が当たった理由は簡単。面白かったからだ。
よくよく見るといろいろなタイプの人が面白いと感じる要素が入っている。
●子供(男の子)が面白いと感じる部分
「X攻撃」、「稲妻落とし」などの技のかっこよさと、ライバルとの戦いを軸としたストーリー展開。
設定や出演者が多少ヒーロー物らしくなくても、実は当時のヒーロー物の王道を歩いていたわけだ。
●子供(女の子)が面白いと感じる部分
溌剌としたきれいな女性が活躍することへのあこがれ。
原作は少女フレンド連載の少女マンガで、親しみやすかったこともある。
●大人(若い男)が面白いと感じる部分
女優さんたち。
昔も今も、若い女性のことが好きです。
さて、ポイントは●大人(若い女)が面白いと感じる部分だ。
このドラマのキーはここにあると思うのだが...。
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