Project23 サインはV
7.時を越えて
范文雀が死んだ。「サインはV」のDVDが発売された直後である。
「サインはV」で演じたジュン・サンダースのように早い死であった。
寺尾聡と結婚・離婚するなど、華やか生活だった。最近では、岩井俊二監督の「Love
Letter」に出演している。
死亡記事では「『サインはV』の...」と形容されていたが、本人はずっとそこから脱皮したかったようだ。
がんばり過ぎたんじゃないかな。早死にする人はみんなそうだ。
生きていてもつらいことは多い。だからこそ生抜いた人には、それだけで価値があるのだ。
「サインはV」を見ていた少女たち、主人公たちと同じように働いていた女性たちはその後どんな人生を歩んでいるのだろうか?
70年代、80年代、90年代をどう生抜いて来たのだろうか?
「サインはV」の主人公たちの今を描くことによって、当時の視聴者の女性の共感が得られるのではないか?
そう考えたら、あっという間にドラマの枠組が頭に浮かんだ。
たとえば、こんな設定はどうだろう?
立木女子バレーボール部は、栄光の歴史を刻んできたが、不況による企業スポーツ合理化の波に晒され解散が決定した。
解散の記念パーティーにかつてのチームメイトが集まった。
明るく振舞う彼女たちだが、各自が悩みを抱えていた。
朝丘ユミ(岡田可愛)は実業家と結婚し幸せな生活を築いてきたが、事業の歯車が狂い始めた夫が外に女を作り離婚が決まっていた。
椿麻理(中山麻理)は、事業を立ち上げ成功しシングルライフを楽しんでいたが、最近若い恋人に別れを告げられ、年齢による容姿の衰えと孤独感に苦しんでいた。
松原かおり(岸ユキ)は、誠実なサラリーマンの夫との平和な家庭生活だったが、子供が病気になり障害が残ってしまった。
そして、当時のコーチ・牧圭介(中山 仁)はパーティーに姿を現さなかった。チームの幹部は言う、「牧は過去の男だ」。
最後は、牧コーチが現れみんなで浜辺を走る。これはお約束ですね。
実際に作品にするなら私のつたない設定は置いといて、名脚本家の佐々木守大先生あたりに書いてもらいたい。
本当にやるなら、映画ではなく、絶対テレビ、しかも地上波でやって欲しい。
TBSさん、東宝さん、考えてみてくれませんか?
つづく
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