Project7 フランス映画が好き

2.憧れから共感へ.

誰でも自分が興味を持っていることについて話したいものだ。
だから、単館映画好きの女の子にフランス映画について質問させて欲しいとメールすると、みんな快く引き受けてくれた。
あなたはフランス映画が好き?どこが魅力的?どんな登場人物に興味があるの?
そういったところから入って、僕の立てた仮説についても聞いてみた。
その答えから感じたこと、それは、彼女たちのナチュラルな生活だった。

僕らの世代にとってフランスは、遠くて、高級なイメージがある。
フランス製なんていうと、お金持ちの奥様とお嬢様が愛用しているといった...。
そして、フランス映画というと遠くて、美しい、憧れの別世界をのぞくための窓みたいな感覚でいた。

さらに単館の映画は、ハリウッド映画などのロードショウ作品と違って、マニアに近いファン層が行くもの決めつけていた。
以前は、名画座を回って難解な映画を観まくり、その知識を鼻にかけるような映画マニアが多かった。
逆にその選民意識に反発して、観客を意識て作られているアメリカ映画を語る映画好きもいた。
僕は後者だったので、単館というと頭でっかちな連中が集まるところと捕らえて敬遠しているとこがあった。

こういった、フランスや単館に対するイメージから、単館のフランス映画というと身構えていたのだ。
これは、いい映画なんだから理解しなくちゃならない、ちゃんと知ってなければならない...。
しかし、彼女たちにそういった気負いはない。
単純に観たいから観に行く。普通のデートやショッピングと一緒で楽しめればOK。
そして、主人公は憧れの世界の人物ではなく、行動に共感できる身近な存在だ。

もちろん、フランスに対する高級感や単館映画への知識欲みたいなのも無くはない。
だけど、よく考えたらフランス製のブランド品ぐらいそこいらの女の子はみんな持ってる時代だ。
映画館だって昔マニアが行ってた汚らしい小屋から、渋谷のお洒落なスポットに変わっているのだ。
フランス映画が身近な存在になるのはよくわかる話だ。ちょうど野茂が行ってから大リーグが身近になったように。

ところで、僕は最近のフランス映画をほとんど観ていなかった。
彼女たちが好きな作品はどんなものか?

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