Project40 超大物ジャズミュージシャン

2.先生が知っていること

現在、タップダンスの中野ブラザーズの映画「NIGHT STEP」の撮影をほぼ終わり、編集作業に入っている。
この映画を製作するにあたってタップダンスの感覚を知るために、中野ブラザーズ・兄の中野啓介氏のタップダンス教室に通った。
最初にシナリオを書いた大学生のときから、シナリオは体で書くのを旨としている。(そのときはマラソンの話だったので、実際に青梅マラソンに出場した。)
さて、この啓介先生、子供の時から舞台・映画・テレビで活躍しているだけあって、昔の芸能人はたいてい一緒に仕事をしている。
だから昔の話を聞くと、本やインターネット検索ではわからない芸能人の生の姿が浮かび上がってくる。
いつか時間をかけてインタビューし、体系的にまとめてみたいものだ。(これもプロジェクトに加えておこう)。

先日レッスンの前にアカデミー賞の話になりナンシー梅木の名前が出たので、「話をしたことがあるんじゃないですか」と振ってみた。
すると、やはり仕事仲間で、50日くらい一緒に地方公演に行ったこともあるそうだ。梅木がアメリカに渡る前の話である。
当時女性ジャズボーカルの第一人者で、大学生のマネージャーを連れ歩いていた。
お酒が好きな派手な性格で、2才年下の先生も「啓介行くよ」って感じで飲みに行くのに付き合わされた。
まあ、そんな話をしてくれる。

さらに先生はいろいろな芸能人やダンサーにタップダンスやジャズダンスを教えていたので、その面白い話も聞くことが出来る。
こっちの話に登場する芸能人はやや時代が近くなる。
たとえば、○○○はダンスのセンスがないが、少年隊はうまい、といった具合だ。
○○○は世間的にはダンスが売り物のグループなのだが、先生から見るとダメなのだ。
やはり自分の専門であるので、評価は厳しく、けっこう毒舌だ。

昨年末にこのタップ教室の忘年会があった。
現在の生徒だけでなく、以前通っていた生徒や先生の昔からの知人も集まり、歌ったり、踊ったりした。
僕は躍らされそうな気がしたので、ビデオカメラを持って行き、撮影で忙しそうにして逃げた。フー。
若者の飲み会ではないので、二次会に流れるメンバーは少なかったが、僕は図々しくついていった。
他にどんな図々しいやつが来るのかとみれば、僕の映画関係者が2名いた。

二次会は新宿コマ劇場の裏にある役者の南風カオルさんの店に行った。
南風さんは、実は中野ブラザーズ2人(啓介、章三)のお兄さんで、ビブランシアター(現在閉鎖中)の支配人もやっていた。
4年くらい前にそのビブランシアターで見た中野ブラザーズのショーでは、南風さんと中野ブラザーズの3人で「団子3兄弟」を歌った。本当の3兄弟だものね。

二次会は小人数だし、身内の店ということもあり、先生はリラックスしていろいろ話をした。
そして終戦直後の進駐軍キャンプでのショーの話になったとき、実に意外な事を口にした。
聞いていた僕たちは思わず顔を見合わせた。

※次回、超大物ジャズミュージシャンが登場!

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