Project23 サインはV

6.彼らの思い入れがあるドラマ

「俺たちの旅」がこの冬放送される。
70年代の中頃に大ヒットした青春ドラマの主人公たちの30年後の今を描くそうだ。
このドラマは、過去にも10年目、20年目の節目にも同じような作品が作られている。
主人公たちの何年後かの今を描く手法は「北の国から」や「ふぞろいの林檎たち」でも用いられた。

確かに面白そうだし、放送時に家にいたら見るだろうけど、何かひっかかるところがある。
「俺たちの旅」などの作品はテレビ番組の製作者に大事にされていてその後のストーリーも作られている。
そこから、テレビ製作者たち自身の青春や思い入れが感じられてしまうところが嫌なんだと思う。
「僕たちにはこんな輝かしい時があったんだ、その後苦しいことはあったけど、こうしてみんながんばっているのさ。
僕たちにはこんなにすごい作品を作ってきたのさ、この素晴らしさを今の人にも知ってもらいたい」

極端な例えで言うと名門高校の同窓会みたいな感じがするのだ。
だいたい名門高校の卒業生は卒業後のつながりが強く、財界、政界の人脈になっている。
その同窓会は参加している人は楽しいかもしれないが、関係ない人にとってはどうでもいいことである。
普通の人は、卒業後は友達との付き合いは続くかもしれないが、同窓の人脈はそれほど重要なことではないのだ。
なんとなく、それと似た違和感が製作者がフォローしているドラマの選び方から感じられてしまう。

※僕も普通の高校だったので同窓会の類は全くない。...あれ、単に呼ばれてないだけかな。

僕なら30年後の今を描くなら「キイハンター」を選びますね。出演者を見るだけで見たくなるから。
丹波哲郎、千葉真一、谷隼人、野際陽子、川口浩、大川栄子、ね!
この人達が約30年前、超人気のアクションドラマに出演していたのだ。
ちなみにこの番組がきっかけで千葉真一と野際陽子は一時期結婚していた。
30年後、再び集結した彼らが事件を解決する。考えるだけでわくわくする。
サニー千葉なら今でも走る列車の上でアクションをやってくれるかもしれない。
でも何となく「キイハンター」みたいな作品は製作者に大事にされてない気がする。

「サインはV」も同じで大事にされていない。むしろ冷遇されていたと言ったほうが正しいかもしれない。
昨年(2002年)10月にDVDが発売されたが、何とそれまで一度もソフト化されたことがなかったのだ。
そりゃ確かにチープな作りが目に付きますよ。でも老若男女があれほど熱狂した作品をこんなに無視するかなあ。
専門家と一般人の意識の乖離(カイリ)を強く感じてしまう。

※何かで読んだが映画界でも、大衆に爆発的人気のあった嵐寛寿郎の「鞍馬天狗」は専門家の間ではほとんど無視されているようだ。

このプロジェクトも実は「サインはV」の主人公たちの今を描こうとするものである。

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